バームクーヘン

 随分と長い間話していない人が大勢いる。もう今やどうなってるのか見当もつかない。そんな中、1人、久々に連絡を取った友人がいる。懐かしさと自分の知らない内に変わった一面を見た戸惑いで今頭の中でぐるぐると一連の会話が廻る。人の性格は遺伝によるものではなく、その人を取り巻く環境によって構成される。環境が変われば人も変わる。自分の見知った当時の人物像と照らし合わせるとやっぱりどこか違っていて、まるで別の人と話してるように感じたりもした。それがなんだか寂しいというか、ぽっかり穴が空いたような感覚がある。「変わった」と思うのは、過去と現在の差を一挙に見せられた時だ。まさに今回がそれにあたる。とにかく、断絶された数年間で友人が自分にはあまり合わないオーラを纏っていたから、これからもうあんまり話さないだろうなとちょっと寂しさを感じた。

 その友人と話してからというもの、やっぱり穴が空いたような感覚がある。何かを失くした感覚。自分にその意識はないが、どこか淡交をもって良しとする自分がいるんじゃないかと思ったりする。ある程度距離があった方が人間上手くいくんじゃないかと思う気持ちも確かにあって、何が正解かとかは正直自分にはわからない。そんなことも相俟って、今、向こう側の景色を覗かせる大きな穴が一つある。バームクーヘンみたいな穴がある。